メールマガジン
2010.07.03
朗読メールマガジン
こんにちは、朗読カフェ、マスターの喜多川拓郎です。
朗読メルマガ、ご愛読ありがとうございます。
挽き立て、淹れたてのコーヒーの味は格別ですね。
毎日飲んでもあきない好きなコーヒーを味わいながら、語り合うカフェ。
私達も、毎日聞いてもらうのは無理でも、せめて「もう一度聞いてみたい」と言っていただける味のある朗読を目指して・・
是非カフェに御参加ください。
「人は見た目が9割」は誤解だった!!
「人は見た目が9割」と言う話は、一部の内容だけ誤解して解釈している人が多いと 朝日新聞のコラムにありました。
実際にこの実験を行ったアメリカの心理学者アルバートメラビンが調べたかったのは、言語の情報と、耳から来た情報と、目で見た情報が矛盾した場合に、人はどの情報を一番優先するかと言うことだった・・・勝間和代の人生を変える「法則」
例えば、「愛しい人」という言葉を、悲しい声で、怒った顔で言ったら、55%の人は怒りの感情を、38%の人は悲しみを、優先し、言葉どおり優しさを感じた人は7%だったと言うのです。
もっとも優しい言葉を、泣いた声と、怒りの表情で言える名優はいないでしょうから(笑)、合成したのでしょうね。
この法則から学ぶべきは、「言葉はコミュニケーションの中で7%しか意味をなさない」と言うことではなく、コミュニケーションを行うときには、言語、聴覚、視覚を一致させなければならないと言うことだと、勝間さんは書いてます。
演技者、表現者の立場でこれを考える時、もう一つ重要なファクターがあります。それは「心」です。
「言語」「声」「表情」これを一致させるのが、「心」なのだと思います。それがあって初めてコミュニケーションが成り立つのです。
作品を朗読するとき、作品の内容とは違う「心」で表現してしまう事がよくあります。
上手に読もうとしたり、時間を気にしたり、声を気にしたり、作品とは裏腹な「心」でも声には出せます。作品が素晴らしければ、最後まで聞いてくれるかもしれません・・が、多くの人は睡魔に襲われるでしょう。
表情は心の鑑とよく言われます。美しい表情は、心と、言語と、声が一致したときに生まれます。
音読で偏差値アップ!
音読で脳を活性化させよう!
「5分間で脳を鍛える(東北大学教授医学博士・川島隆太著)」によれば、文章を声に出して読む「音読」には、脳を活性化させる効果があるそうです。なんでも、痴呆症の治療にも有効だということが実証されたと言うのです。
これが本当なら、私達は仕事をしながら脳を鍛えていることになります。私はもう数十年この仕事をしている訳ですから、相当鍛えられているはずでなんですが、その効果のほどは…?
私のことはさておき、今回は発声と発音のお話をしたいと思います。脳を鍛える為にも、ぜひ朗読にチャレンジしてみましょう。
これから始める方に
ひとつテストをしてみましょう。「あいうえお」と喋ってみて下さい。なんということはないですね。では続いて「おあいうえ」と喋ってみましょう。いかがでしょう?
おそらく後者の方が言いにくいのではないでしょうか。
あいうえおの「お」が先頭に来ただけなのに、喋りにくくなりますね。
脳に記録されていない言葉は、それだけで喋りにくいのですが、この場合はさらに、母音の並びが聞き慣れたものと似ているだけに戸惑うのです。どちらもすらすら言えるようになると、言葉が美しく聞こえるようになります。日本語は母音を中心に発音し、子音の後には必ず母音がつきます。ですから、まず母音の練習から「あ、え、い、う、え、お、あ、お」と何回か繰り返してみて下さい。
発声、滑舌筋、をパワーアップ!
私たち人間は、身体の色々な筋肉を動かして発声、発音します。人が何か話すときは、まず目で見て状況を判断します。そして必要な分の息を吸い、息を吐きながら声帯を振動させ、喉や舌、顔の筋肉を調整し音を発します。
思ったことをそのまま口に出す日常会話と違い、原稿を読む時は目で見て判断し声に出すので脳をより多く使います。「音読」が脳に良いと言われるのも分かる気がします。
言い慣れた言葉でも、文字として初めて見ると途端に言いにくくなることがあります。何年か前話題になった、「マンギョンボンゴー」これを漢字で書くと「万景望号」。頭では分かっていても漢字を見て声に出してみると言いにくいですよね。マンボンギョンゴウと言い間違える人が多かった気がします。私は言い慣れた言葉でも、見慣れない漢字に変換された原稿にはふりがなをふっています。この原稿を近所の人に見られると、漢字を読めない人だと思われるので、うっかり資源ゴミには出せません(笑)。
ビデオサロン幻光社に掲載した「ナレーターの独り言」2006年~連載、をメルマガ用に手直ししたものです)
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